ベトナムでのオフショア開発を検討する際、「ラボ型開発」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。柔軟な開発が可能でコストパフォーマンスも高いと言われますが、従来の「請負型」と何が違うのか、自社に合っているのか判断に迷うこともあるでしょう。
この記事では、ベトナムで注目される「ラボ型開発」の基本から、請負型との違い、成功させるための具体的なコツまでを徹底解説します。ぜひ、貴社の開発パートナー戦略を立てる上での参考にしてください。
はじめに、ラボ型開発の基本的な仕組みと、なぜ今ベトナムでこの開発スタイルが支持されているのかを解説します。
ラボ型開発とは、一定期間、クライアント企業専属の開発チームを海外に確保する契約形態です。「ラボ(研究所)」という名前の通り、自社の海外開発部門のようにチームを運用できます。
特徴は、月額固定費用で契約期間内のリソース(エンジニアの稼働時間)を確保する点です。プロジェクトの成果物に対してではなく、確保した「チーム」に対して費用を支払うため、期間内であれば仕様変更やタスクの追加・変更に柔軟に対応できます。
ベトナムでラボ型開発が人気なのは、単に優秀なIT人材が豊富だからというだけではありません。アジャイル開発やサービスの継続的な改善が主流となる中、柔軟に開発を進められるラボ型との相性が非常に良いのです。
また、勤勉で学習意欲の高いベトナム人エンジニアは、長期的な関係を築くことでナレッジを蓄積し、生産性を向上させてくれます。短期的なコスト削減だけでなく、信頼できる開発パートナーとして長期的な関係を築きたいと考える日本企業が増えていることも、ベトナムでのラボ型開発が支持される大きな理由です。
ラボ型開発の理解を深めるために、従来からある「請負型」との違いを様々な角度から比較してみましょう。
ラボ型と請負型では、契約の考え方から費用の発生、管理のスタイルまで大きく異なります。
どちらの契約形態が良いかは、プロジェクトの性質や企業の状況によって決まります。
それぞれのメリット・デメリットを一覧で比較してみましょう。
| ラボ型開発 | 請負型開発 | |
|---|---|---|
| メリット | ・仕様変更に柔軟 ・開発ノウハウが蓄積される ・優秀な人材を確保しやすい ・アジャイル開発に向いている |
・成果物が保証される ・仕様が固まっていれば予算/納期が明確 ・発注側の管理工数が少ない |
| デメリット | ・発注側の管理工数がかかる ・仕事量が少ないと割高になる ・チームの質が生産性に直結する |
・仕様変更のたびに見積もり/費用が発生 ・開発ノウハウが残りにくい ・開発メンバーを選べないことが多い |
柔軟性の高いラボ型開発と、ポテンシャルの高いベトナム市場を組み合わせることで、多くのメリットが生まれます。
ベトナムの競争力のあるエンジニア単価と、長期契約で効率化が進むラボ型開発は非常に相性が良い組み合わせです。チームがプロジェクトに習熟するにつれて開発スピードと品質が向上し、時間あたりの開発コストは実質的に下がっていきます。結果として、トータルでのコストパフォーマンスを最大化できます。
市場のニーズやユーザーの反応に合わせて、機能の優先順位を変えたり、新しいアイデアを試したりといった動きが求められる現代のサービス開発において、ラボ型の柔軟性は大きな武器になります。ベトナムの若いエンジニアは新しい技術へのキャッチアップも早く、スピーディな開発体制を支えてくれます。
ラボ型開発は、チームとの長期的な信頼関係が成功の鍵です。その点、勤勉でチームワークを重んじるベトナム人の国民性は、日本企業と非常に相性が良いと言われています。親日国であり、日本語学習者も多いため、文化や言語の壁を乗り越え、一体感のあるチームを築きやすい環境です。
多くのメリットがある一方、ラボ型開発には特有の難しさもあります。ここでは、失敗を避けて成功に導くための具体的なコツを紹介します。
よくある失敗は「チームに明確な役割や目標を与えられず、エンジニアが手持ち無沙汰になる」ケースです。これでは高い費用を払ってリソースを確保している意味がありません。対策として、常にバックログ(開発タスクリスト)を整理・準備し、チームが常に何らかのタスクに取り組める状態を維持することが重要です。
ラボ型では、発注側からの積極的なコミュニケーションが不可欠です。チャットツールでの日々のやり取りや、週次でのビデオ会議など、コミュニケーションのルールを最初に決めましょう。「言わなくても分かるだろう」という考えは禁物です。目的や背景、期待するクオリティを丁寧に伝え、認識のズレをなくす努力が成功率を高めます。
開発会社を選ぶ際には、単価だけでなく以下の点も必ず確認しましょう。
ラボ型開発は、仕様変更に強く、優秀な人材を長期的に確保できる、現代のサービス開発に適した契約形態です。特に、勤勉で優秀なIT人材が豊富なベトナムでラボ型開発を行うことは、コストと品質、そしてスピードを高いレベルで両立させるための非常に有効な戦略です。
成功のためには、発注側にも積極的なマネジメントとコミュニケーションが求められます。本記事で解説したポイントやチェックリストを参考に、貴社にとって最高の開発チームをベトナムに築いてください。
ベトナムのオフショア開発で、案件の分野別に確かな実績(※1)を持つ企業を紹介。
異なる開発ニーズに応じて、どのような専門性があるのかぜひご覧ください。
長年の開発実績の中でも、強固なセキュリティおよび緻密なプロジェクト管理や高い品質が求められる金融・通信業界から評価を得ている(※2)ひけしや。
日本発企業でもあり、現地常駐日本人スタッフのサポートによって、オフショア開発でありがちな品質管理ポリシーのギャップを生みません。業界特有の厳しい品質基準をクリアできる体制が整っています。
プロジェクト数:約1,000件
開発経験:20年
200名を超えるクラウドエンジニアの在籍、AWSの認定パートナー(※3)であるなどクラウド移行に関して実力が光るCMC JAPAN。オンプレからでも、クラウド同士の統合でも柔軟にカスタマイズが可能です。
官公庁で使われているレガシーシステムもスムーズにシステム移行をすることができます。
プロジェクト数:-
開発経験:30年以上
エンジニアの平均月単価が40万円(税不明)のベトナム(※4)で17.5万円~アサインが可能なオルグローラボ。最短即日のアサイン(※5)も可能で、迅速な開発体制構築とコスト競争力を提供します。
インタラクティブな要素が必要とされるゲーム開発も行っており、デザイン面とユーザーエクスペリエンスが両立されたアプリ開発を行います。
プロジェクト数:2,000件以上
開発経験:10年
※1 公式HPに記載されている情報から「案件数」「事業年数」いずれかが豊富であるとわかる企業
※2 参照元:ひけしや公式(https://hikesiya.co.jp/solution/labo)(https://hikesiya.co.jp/timeandmaterial)2024年8月6日時点
※3 参照元:CMC Japan公式(https://cmc-japan.co.jp/blog/why-migrate-to-the-cloud/)2024年8月6日時点
※4 参照元:オフショア開発.com『オフショア開発白書2023』(https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/vietnam/price.php)
※5 参照元:オルグローラボ公式(https://allgrow-labo.jp/lp/)2024年8月6日時点