近年、フィリピンは高い英語力とコストパフォーマンス、豊富な若手IT人材を背景に、オフショア開発先として注目を集めています。日本との時差が少なく、円滑なコミュニケーションや進捗管理が可能な点も強みです。この記事では、フィリピンオフショア開発の全体像や他国との違い、メリット・デメリット、成功の秘訣までをわかりやすく解説します。
フィリピンの首都はマニラで、公用語はフィリピノ語と英語。英語話者が多く、約9割が英語を話せます。日本との時差は1時間と少なく、円滑なコミュニケーションが可能です。主な開発都市はマニラ、セブ、ダバオ、クラーク、イロイロなどで、IT産業やBPO分野が発展しています。人件費が安く、IT人材も豊富。日本企業のオフショア開発先として人気です。
フィリピンは英語が公用語で、ITエンジニアも高い英語力を持っています。ビジネスレベルでの会話やドキュメント作成が可能です。日本企業との意思疎通がスムーズに進み、要件の齟齬やトラブルを大幅に減らせます。
フィリピンのIT人材の人月単価は日本より大幅に低く、コスト削減効果が大きいのが特徴です。特にセブなどは物価も低く、同じ予算でより多くのリソースを確保できます。
フィリピンは平均年齢が若く、理系大学から毎年多くのIT人材が輩出されています。実践的な教育を受けた若手エンジニアが多く、技術習得意欲も高いため、将来性や継続的な成長が期待できる点が大きな魅力です。
日本との時差はわずか1時間。時差によるコミュニケーションロスが少なく、リアルタイムでのやり取りや進捗管理がしやすい環境です。トラブルにも迅速に対応できます。
主要都市以外ではインターネットや電力供給が不安定な場合が多く、通信速度も日本より遅い傾向です。地域によってインフラ格差が大きく、業務効率や納期に影響するリスクがあります。
フィリピンは日本より時間感覚が緩やかで、納期厳守や報告・連絡・相談(報連相)の意識に差があります。急な休暇取得や祝日も多く、進捗管理や意思疎通に注意が必要です。
教育や産業構造の影響で技術力にばらつきがあり、特に高度な開発案件では適切な人材確保や品質管理が課題となります。プロジェクト管理や進捗確認が重要です。
台風や地震など自然災害が多い地域特性があり、業務停止リスクに備えてBCP(事業継続計画)の策定やバックアップ体制の構築が不可欠です。
フィリピンは「ホスピタリティ精神」と「顧客志向」が国民性として根付いており、誰に対しても親切かつ丁寧に接する文化があります。サービス業で培われた思いやりや明るいコミュニケーション力は、顧客対応やチームワークにおいて大きな強みです。初対面でも積極的に親しみを表し、相手の立場を考えた対応ができるため、日本企業との協業でも信頼関係を築きやすい特徴があります。
フィリピンは歴史的に欧米文化、特にアメリカの影響を強く受けており、多様な文化が共存する社会です。そのため欧米の価値観やビジネスマナーへの理解度が高く、国際的なプロジェクトでも柔軟に対応できます。異文化適応力やコミュニケーション力にも優れ、多国籍チームの中でもスムーズに協働できる点が強みのひとつです。
フィリピンはBPO大国として世界的に高い実績を持ちます。2022年のBPO産業売上は325億ドル、雇用者数は157万人でした(※)。英語力とサービス精神に優れた人材が豊富で、コールセンターやIT開発、会計など多様な業務を高品質かつ効率的に受託できる体制が整っています。日本企業も現地BPO企業と連携しやすい環境です。
※参照元:信金中央金庫 海外業務推進部「フィリピンにおける BPO 産業発展の経緯と足元の動向」( https://shinkin-overseas.jp/upload_file/m005-m005_02/scbkaigaitopicsvol7.pdf )
フィリピンはWeb系やモバイルアプリ開発、QA(品質保証)テスト分野で特に強みを持ちます。IT教育が充実しており、最新の技術トレンドへの適応力が高い若手人材が豊富です。英語力を活かしたグローバルな開発や、ISTQBなど国際的なQA資格を持つエンジニアも多く、高品質なテストや多様な開発プロジェクトに柔軟に対応できます。
フィリピンのオフショア開発における人月単価の目安をスキル別に紹介します。
近年は全体的に単価が上昇傾向にあり、為替や人材需給によって変動する可能性があります。あくまで目安としてご参照ください。
明確なコミュニケーションを心掛けましょう。英語で指示を出す際に、短く端的な表現を選択し、曖昧な言い回しを避けることがポイントです。要件やゴールを文書や図、スクリーンショットで具体的に示し、品質基準を明文化して全員で共有することで、期待値のズレを防ぎましょう。
信頼できるパートナー企業を選ぶには、自社の要件や必要な技術力を明確にし、類似実績や過去のプロジェクト、顧客評価を確認することが大切です。品質管理やプロジェクトマネジメント体制が整っているかもチェックしましょう。初期のコミュニケーションやレスポンスの質も評価し、日本語対応やブリッジSEの有無も確認してください。
適切なプロジェクト管理手法を導入することも重要です。明確な目標設定と要件定義を行い、進捗や品質を定量的に管理できる体制を構築しましょう。定期的なミーティングやコミュニケーションツールを活用するのも有効です。
良好な協力関係を構築するためには、文化や習慣を理解し、尊重することが不可欠です。フィリピンは家族重視の価値観があり、休暇取得の価値観も日本とは異なります。無理な残業や急なスケジュール変更を避ける配慮が重要です。祝日や休暇の運用も日本と異なるため、事前に確認し合意を得ることが信頼関係構築の鍵となります。
フィリピンは高い英語力と若いIT人材、コストメリット、時差の少なさが強みです。一方で、文化や品質基準の違い、コミュニケーションの課題も存在します。成功には、要件の明確化や進捗・品質管理、信頼できるパートナー選定が不可欠です。フィリピン独自の柔軟性やホスピタリティを活かし、強みを引き出すことが成功につながります。
ベトナムのオフショア開発で、案件の分野別に確かな実績(※1)を持つ企業を紹介。
異なる開発ニーズに応じて、どのような専門性があるのかぜひご覧ください。
長年の開発実績の中でも、強固なセキュリティおよび緻密なプロジェクト管理や高い品質が求められる金融・通信業界から評価を得ている(※2)ひけしや。
日本発企業でもあり、現地常駐日本人スタッフのサポートによって、オフショア開発でありがちな品質管理ポリシーのギャップを生みません。業界特有の厳しい品質基準をクリアできる体制が整っています。
プロジェクト数:約1,000件
開発経験:20年
200名を超えるクラウドエンジニアの在籍、AWSの認定パートナー(※3)であるなどクラウド移行に関して実力が光るCMC JAPAN。オンプレからでも、クラウド同士の統合でも柔軟にカスタマイズが可能です。
官公庁で使われているレガシーシステムもスムーズにシステム移行をすることができます。
プロジェクト数:-
開発経験:30年以上
エンジニアの平均月単価が40万円(税不明)のベトナム(※4)で17.5万円~アサインが可能なオルグローラボ。最短即日のアサイン(※5)も可能で、迅速な開発体制構築とコスト競争力を提供します。
インタラクティブな要素が必要とされるゲーム開発も行っており、デザイン面とユーザーエクスペリエンスが両立されたアプリ開発を行います。
プロジェクト数:2,000件以上
開発経験:10年
※1 公式HPに記載されている情報から「案件数」「事業年数」いずれかが豊富であるとわかる企業
※2 参照元:ひけしや公式(https://hikesiya.co.jp/solution/labo)(https://hikesiya.co.jp/timeandmaterial)2024年8月6日時点
※3 参照元:CMC Japan公式(https://cmc-japan.co.jp/blog/why-migrate-to-the-cloud/)2024年8月6日時点
※4 参照元:オフショア開発.com『オフショア開発白書2023』(https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/vietnam/price.php)
※5 参照元:オルグローラボ公式(https://allgrow-labo.jp/lp/)2024年8月6日時点