ベトナムでのオフショア開発を検討する際、「単価」は最も重要な要素の一つです。コスト削減を期待する一方で、円安の影響や単価だけで判断することへの不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ベトナムのオフショア開発における単価の最新相場を、他国との比較を交えながら解説します。単価に影響を与える要因や、コストだけでない委託先選定のポイントも紹介しますので、ぜひパートナー選びの参考にしてください。
はじめに、オフショア開発の単価がどのように決まるのか、そしてなぜベトナムの単価が注目されているのかを解説します。
オフショア開発の単価は、一般的に「人月単価」という指標で示されます。これは、エンジニア1人が1ヶ月稼働した場合の費用のことです。この単価には、エンジニアの人件費だけでなく、開発会社の管理費やオフィス賃料、インフラ費用、利益などが含まれています。
そのため、現地の物価やエンジニアの給与水準が低い国に委託することで、日本国内で開発するよりもコストを抑えられるのがオフショア開発の基本的な仕組みです。
数あるオフショア開発先の中でもベトナムが人気を集める理由は、単に安いからだけではありません。コストと品質のバランスが非常に優れている点が、ベトナムの最大の特徴です。
政府主導のIT教育によって優秀な若手人材が豊富に育っており、技術力の向上が著しいです。また、勤勉で親日的な国民性から、日本のビジネス文化への理解度も高く、円滑なコミュニケーションが期待できます。このような背景から、ベトナムは「コストパフォーマンスが高い」開発拠点として世界中から注目されています。
ここでは、最新のデータをもとに、ベトナムのエンジニア単価の具体的な相場や、価格に影響する要因について見ていきましょう。
「オフショア開発白書2024」※1によると、2025年時点のベトナムにおけるエンジニアの役職別の人月単価の目安は以下のようになっています。
日本のエンジニアと比較すれば依然としてコストメリットは大きいですが、ベトナムの経済成長に伴い、単価は年々上昇傾向にあります。特に近年は円安の影響もあり、以前ほどのコスト削減効果は得にくくなっている点も考慮が必要です。
エンジニアの単価は、主に以下の3つの要素によって変動します。
1. 都市による価格差
ハノイやホーチミンといった大都市は、地方都市(ダナンなど)に比べて人件費や物価が高いため、単価も高くなる傾向があります。
2. 開発内容・求めるスキル
Webシステム開発やスマホアプリ開発といった一般的なスキルに比べ、AI、ブロックチェーン、データサイエンスといった先端技術を扱える高度なスキルを持つエンジニアは単価が高くなります。
3. 契約形態
オフショア開発の契約形態は、主に「請負型」と「ラボ型」の2種類があります。一般的に、要件変更に柔軟に対応できる「ラボ型」の方が、長期的な視点で見るとコスト効率が良くなる場合があります。
ベトナムは、他の主要なオフショア開発国と比較してどのような位置づけにあるのでしょうか。「オフショア開発白書2024」※1のデータをもとに、フィリピン、インドと比較してみましょう。
役職 | ベトナム | フィリピン | インド |
---|---|---|---|
プログラマー | 39.4万円 | 43.0万円 | 53.3万円 |
シニアエンジニア | 48.3万円 | 55.5万円 | 61.7万円 |
ブリッジSE | 59.0万円 | 73.6万円 | 69.2万円 |
プロジェクトマネージャー | 70.0万円 | 78.2万円 | 77.5万円 |
表を見ると、全ての役職においてベトナムが最も単価を抑えられる傾向にあることが分かります。特にプログラマーやシニアエンジニアといった開発の中核を担う人材の単価に競争力があり、コストを重視する多くの日本企業にとって魅力的な選択肢となっています。
コストは重要ですが、単価の安さだけで委託先を決めると、プロジェクトが失敗に終わる可能性があります。ここでは、後悔しないための選定ポイントを解説します。
相場よりも極端に安い単価を提示する企業には注意が必要です。価格の安さの裏には、エンジニアの経験が浅い、品質管理体制が整っていない、コミュニケーションが円滑に進まないといったリスクが隠れている可能性があります。
結果として、バグの多発による手戻りや、仕様変更への対応が遅れるなどして、かえって追加コストや時間がかかり、トータルコストが高くついてしまうケースも少なくありません。
コストパフォーマンスの高い委託先を見極めるには、以下の点を総合的にチェックしましょう。
「ラボ型開発」は、一定期間、自社専属のチームを確保する契約形態です。月額費用は固定ですが、期間内であれば仕様変更やタスクの追加に柔軟に対応できるため、中長期的なサービス運用や、仕様が変わりやすいアジャイル開発に適しています。
プロジェクトごとに見積もりと契約が必要な「請負型」に比べ、コミュニケーションが密になり、開発ノウハウがチームに蓄積されやすいのもメリットです。安定した開発体制を築きながらトータルコストを最適化したい場合に有効な選択肢と言えるでしょう。
この記事では、ベトナムのオフショア開発における単価の最新相場と、委託先選定のポイントを解説しました。ベトナムは他国と比較して依然としてコスト競争力が高く、品質とのバランスに優れた開発拠点です。
ただし、単価の安さだけで判断するのではなく、開発実績や品質管理体制、コミュニケーション能力などを総合的に評価することが、オフショア開発を成功に導く鍵となります。本記事で紹介した情報を参考に、自社のニーズに最適なパートナーを見つけてください。
ベトナムのオフショア開発で、案件の分野別に確かな実績(※1)を持つ企業を紹介。
異なる開発ニーズに応じて、どのような専門性があるのかぜひご覧ください。
長年の開発実績の中でも、強固なセキュリティおよび緻密なプロジェクト管理や高い品質が求められる金融・通信業界から評価を得ている(※2)ひけしや。
日本発企業でもあり、現地常駐日本人スタッフのサポートによって、オフショア開発でありがちな品質管理ポリシーのギャップを生みません。業界特有の厳しい品質基準をクリアできる体制が整っています。
プロジェクト数:約1,000件
開発経験:20年
200名を超えるクラウドエンジニアの在籍、AWSの認定パートナー(※3)であるなどクラウド移行に関して実力が光るCMC JAPAN。オンプレからでも、クラウド同士の統合でも柔軟にカスタマイズが可能です。
官公庁で使われているレガシーシステムもスムーズにシステム移行をすることができます。
プロジェクト数:-
開発経験:30年以上
エンジニアの平均月単価が40万円(税不明)のベトナム(※4)で17.5万円~アサインが可能なオルグローラボ。最短即日のアサイン(※5)も可能で、迅速な開発体制構築とコスト競争力を提供します。
インタラクティブな要素が必要とされるゲーム開発も行っており、デザイン面とユーザーエクスペリエンスが両立されたアプリ開発を行います。
プロジェクト数:2,000件以上
開発経験:10年
※1 公式HPに記載されている情報から「案件数」「事業年数」いずれかが豊富であるとわかる企業
※2 参照元:ひけしや公式(https://hikesiya.co.jp/solution/labo)(https://hikesiya.co.jp/timeandmaterial)2024年8月6日時点
※3 参照元:CMC Japan公式(https://cmc-japan.co.jp/blog/why-migrate-to-the-cloud/)2024年8月6日時点
※4 参照元:オフショア開発.com『オフショア開発白書2023』(https://www.offshore-kaihatsu.com/contents/vietnam/price.php)
※5 参照元:オルグローラボ公式(https://allgrow-labo.jp/lp/)2024年8月6日時点